中田真貴

FAKE

NFTは「偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」。しかし多くのNFTマーケットプレイスでは偽物のNFTが溢れかえっている。

果たしてこの偽物のNFTは何の鑑定書を付けているのだろうか?偽物ということを証明してくれているのだろうか?それとも本物に見せるための装飾品なのか。

現実のアート作品にも同じことが起こっている。約510億円で売却された、ダ・ヴィンチ最後の作品『サルバトール・ムンディ』の偽物疑惑。利益受益者による陰謀だったのか?他にも数多くの偽物が本物として出回っているとされるアート業界。
これは偽物でも鑑定書が存在すれば本物同様の価値が出るという証明ではないだろうか。

現在のアートの価値とは、利益受益者が証明書(鑑定書や権威者のお墨付き)を出しただけの幻想的価値ではないのか。

今回の『FAKE』は偽物の作品に証明書をつけ、幻想的価値をつけようとする試みである。

選定されている作品

『Leonardo』『Balloon』『Cross』『AI』は、全て偽物疑惑、既製品の模倣、人が制作していないなど、『FAKE』にまつわる題材をAIによって画像生成した。